2012年3月6日火曜日

フルートという道具

古いムラマツのM70を笛の修理屋さんに預けた際に、修理屋さんと笛談義をしてきました。
いくら練習しても上達は緩慢だし、自分は今の笛の能力に限界を感じることは生きている間にないだろうと思っていると話たところ、修理屋さんはフルートを道具と考え自動車に例えてお話をしてくださいました。
排気量が大きくトルクのある車は走るには楽だが、おもしろいかというとそうではない。
小排気量で高回転型のエンジンを載せた車は、微妙な調子の善し悪しがあるが、そこがまたいいと。
車の特性を知って、ここぞとシフトダウンしギアを合わせアクセルを踏み込むとシューンとエンジンが応えてくれる。
フルートはいくつか吹いてみると、一本一本違う。鳴らないなあと感じながらしばらく吹いていると、とたんにとてもよく鳴るようになる楽器があるそうです。
わかるような気がしますが、私にはまだわかりません。


バイクや自動車ならその感覚わかります。
車はこれまでに何台か乗り換えてきました。ガソリンエンジン車のそれも比較的小排気量な車、大口径ツインキャブレターを装着した車、SUツインキャブの車、どれも悪く言うと神経質で天候で調子が左右されるご機嫌屋です。
こういう車を駆っている時、常に心の中で車と対話しています。
奇麗に洗車してワックスをかけてから出かけると、何故か車も快調です。シフトダウンの時にブリッピングをくれてやるとエンジンが嬉しそうに応えてくれます。
どう考えても外装とエンジンのレスポンスに相関関係はないはずですが、これが何故かあるんです。


そう!死後の世界はある!!(かもしれない)


以前、大事にしていつも奇麗にしていた車を実家に止めて屋内でウトウトしていたところ、夢の中で自分の車のクラクションの音がするのです。
「ブーーーーーーッ」
何か助けを求めるような音にいやな予感がしました。
車を見ると、フロントフェンダーからドア、リアフェンダーまで鋭利なもので引っ掻かれていました。
私の唯一の神秘体験でした。
その車も10年10万キロで買い替えたのですが、新しい車の納車の際に、置いていかれるその後ろ姿がとても物悲しく、後ろ髪を引かれました。


たかが物です。
生きていません。
勝手に擬人可しているだけなのでしょう。


でもね、物にも愛情をかけると応えてくれる気がしてなりません。


応えてくれ私のAD!!



2 件のコメント:

  1. きさらぎです。

    人にも、物にも「愛」をもって
    接することができるって
    幸せに生きる鍵のひとつかもしれませんね。

    funkyhaassyさんへきっと応えてくれると思います。
    私も私の笛に「愛」をう~んと降り注ごうっと。

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  2. それがなかなか応えてくれないんです。
    楽器の調子はすこぶるいいし、ADはいわゆる手強い楽器ではないのだそうですが、人生の連れ合いのごとくたまにイラっとします。
    ですが、それは自分が悪いのです。
    自分ができていないのを楽器のせいにしてはいけませんね。

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