2012年1月31日火曜日

鳴るから響かせるへ? 今までに無い感触

姿勢を正して、背中に息を入れる、そして胸にぶつけ、頭のうしろにぶつけるつもり。
Galwayの音をイメージします。
そしていつものように低音Hから半音づつ下降、次に中音Hから下降。


おや? 低音の響きにこれまでに感じた事の無い新しい感触が。
これまで低音がよく鳴る時はどのような感じだったかと言うと、リッププレートに唇を軽くあてて息を吹き込むと、ブリジアルディキーが特にそうなんですがフルートのメカがビリビリ震えるように鳴る感じでした。そして音色は太く豊かで倍音成分がたっぷり含まれている感じです。めったにないのですがそういう時は気分がとてもいいものです。


それが今日はまったく経験したことのない感じになったのです。
フルートのメカがビリビリ振動する感じはなく、倍音成分は少なく、それでいてフルートが鳴るというよりは響く感じです。それと次の点が特筆すべきなのですが、音が体に共鳴している感じがします。つまり低い音が口からお腹の空洞にかけて戻っているような感覚です。
そして音色はとてもやさしい、決してどなるではなく、そして大きい。
音が体全体から発生し、周囲の空気を振動させている、体全体が音を奏でている感じです。


これは低音を出す上で習得すべき奏法なのかもしれません。


倍音たっぷりで演奏するのとは全く違った響きです。
これはすごい発見です。
しばらく低音ばかり練習していましたが、録画してみることを思い立ちました。
この音を先生に聴いてもらったら何と言うだろうか。
リズム、音程、表現には問題山積だけど、その音の出し方を是非私にも教えてほしい」くらい言うんじゃないだろうか?言わないか、、、。そりゃ言うわけないわな。。。


ところが、、、そう案の定、一旦フルートから唇を離すと、先ほどの素晴らしい響きが再現できません。
これがフルートのやっかいなところ。何度も試み、いくらか再現しかかってはまた戻る。


再現しきれていませんが、ややそれっぽいのを備忘録として記録します。

そして下記は従来の吹き方。

          
余談ですが、首に巻いているのはコットンのタオルです。オフの時、自宅周辺ではいつもこれです。風邪予防の秘訣は喉を冷やさない事。ウールのマフラーよりタオルの感触が好きです。友人は一緒に歩くのをいやがりますが私はこれが快適なのでやめられません。

今日は新しい発見があって嬉しいです。
さて、問題はいつでも出したい音を出せるようにするにはどうしたらいいかです。

思えばフルートの上達はゴルフによく似ています。
まぐれで調子がいい時は素晴らしいショットが続くのですが、どういうわけか翌日はさっぱりです。それが何故なのか理由がわかりません。
力なぞ全く入れずに軽くスイングするだけで、スイートスポットでムチのようにボールを飛ばせる時に心がけていることはなんなのか自分でもよくわからず再現できないのです。



2012年1月30日月曜日

よい音を出すためのテクニック

ココロから音楽をイメージして奏でることができるかどうか、昨晩はできるような気がしてワクワクして早く試してみたいという気持ちで一杯でした。
流石に夜中に吹けないので今日試してみるつもりでしたが、雑念が心を支配しがちで試す事ができませんでした。

以前は仕事で数百億というお金をハンドリングし(会社のですが)、たまには数千万単位のお金(会社のですが)の帳尻が会わなくなったり、それでも夜はぐっすり眠るほど度胸は座っていました。
それがこの頃は、どうもつまらないことが雑念となり、集中を妨げます。

紛失したと思っていた確定申告に必要なエビデンス書類が見つかったという喜ばしいことがあったにもかかわらず、つまらない小骨が喉に刺さったような事柄が雑念となって頭を支配します。

演奏に集中できないので今日はロジェさんから拝借した、James Galwayの「よい音を出すためのテクニック」を読みました。
多くの示唆にとんだ本で、くいいるように一気に読了。
読んだだけで、書かれている通りにできるかどうかは別な問題ですが、、、。
随所に、常に楽天的であれとあります。「やると思えば どこまでやるさ♪」
人間の心理は妙な動きをします。やれると思えばおそらくできるでしょうし、やれないと思えばできないだろう。
地味なスケールとアルペジオの練習も、それが音楽だと思えば音楽的に演奏することでおもしろくなることだってあるじゃないかと。

そうです。ものは考えようです。

「急いでいる時に限って渋滞するんだよなあ」
あなたの急いでいる時を狙って神様が渋滞を起こしている?そんなはずありません。そう思い込んでいるだけなのです。

渋滞に巻き込まれたおかげで事故に会わなかったのかもしれませんし、あわや車を電柱にぶつけても、相手が人でなくてよかったと考えればいいのです。

常に物事に興味が持てる自分であってほしいのです。


2012年1月29日日曜日

演奏する時のイメージ

フルートアンサンブル コルディスのブログ に演奏する時のイメージについて重要な示唆が記されていました。


昨年の夏、軽井沢でとあるMBAセミナーに参加した際に、丸山コーヒーの社長に会う機会がありました。社長はバリスタを育成しているのですが、できあがるコーヒー豆をイメージしながら焙煎修行する人とそうでない人では成長に大きな開きがあると言っていたことを思い出します。


ロングトーンでもソノリテでも自分が理想とする音色をイメージしてから吹きなさいとは多くのプロが一様に言います。(アンブシャはいろんなこと言うので困りますが)


正直に告白します。私はこの理想とする音色があいまいなのです。つまり、これといった理想とする音色がないのです。それでは全くどうでもいいのかと言うとそうではありません。もちろん奇麗に澄んだ音、高原のそよ風に乗って聴こえてくる軽やかで明るくチャーミングな音、そんな漠然としたイメージは持っています。ただ、ランパルの音はねえ、とかニコレはとか、パユが云々ってのはわからないのです。同じ曲のいろんな演奏家のCDを持っていますが、音色ってどれもイフェクトがかかっていて違いがあまり感じられません。
それでもYouTubeで聴いたGalwayのマスターレッスンの音だけは印象が強いですね。イフェクトのかからない臨場感がかえって新鮮です。
当面はGalwayの音色をイメージすることとします。いつかGalwayの音になってやるぞと。


次に演奏のイメージですが、これもエチュードを始め、漠然としていました。
フルートの場合、演奏するためにアンブシャだとか、指回りだとか技術的なことも重要ですが、やはり音楽を奏でるわけですから、自分がその曲について持っているイメージを表現して聞き手に伝えることが重要でしょう。
私が毎日参考にしているアマチュアフルーティストのブログ風の谷のフルートで歌の翼のイメージについて筆者が私とほぼ同じイメージを持っているのには驚きました。
自分で演奏を録音して聴いてみると、なんとも情けないくらいにダメダメの演奏なのですが、どうしたらいい演奏ができるのか、あれこれ技術的なことばかり考えていましたが、イメージを明確に持って、そのイメージを聞き手に伝えるんだという感性で演奏したらうまくいくかもしれないという仮説が正しいかどうかは、今日はもう遅いので明日のココロだ。


音楽は具体的な意味を持たない言葉だと吉田雅夫がよく言っていました。
質問があって答えがある。また、いい音楽は山があって三つ目で先へ行くとも。
PennsylvaniaのフルーティストThe Sensible Flutistに、こんなのがありました。Practice with your brain, perform from your heart 頭で練習し、心で奏でよってことでしょうか。
頭で考えすぎていたのかも知れない。


明日、ココロで奏でることができるかどうか。今からワクワクしてきました。

2012年1月28日土曜日

Embouchure ( Ansatz )


スケールの練習をしていても音色が安定しません。

鏡の前でスケールを練習し、姿をチェックしました。
いつの間にかすっかり老けてしまった。常に一回りほど若く見られていたのに、ある時を境に近所の子供からおじいさんと呼ばれるまでになったのは驚きである。40代なのに定年退職ですか?と聞かれた時は殺意を覚えました。
鏡の向こうに、音色を安定させたいとばかりにアンブシャをいろいろと変更している自分がいます。
アンブシャを意識しだすと、ますます音色が不安定になってくるのが常です。

アンブシャ(deアンザッツ)の作り方は大きく分けて二つの説があるようです。
  • ブライテンアンザッツ
唇を横に引っ張る。(GalwayはN.G.だと言っています。)
  • シトゥルフェンアンザッツ
唇をめくって、唇全体をへの字に曲げる。(Galway推奨)

アルテスによれば最大でも12mmまでと言われているアパチャの横幅は私の場合、10mmほど。同様にアルテスは上下の幅は紙一枚と言っています。微笑した時のようにと言っていますが、両端は上げずに真横か幾分下気味と言っています。
平らな胸の鏡の中の少年は1mmほど。
アルテスさん、紙一枚はないだろう。Sir James Galwayはスマイリングアンブシャはほんとうによくないと言っています。
初老男性のクチビルをしかも内側の濡れているところをじっくり観察するのって気色悪いですが、これはとても貴重な映像です。

Hans Peter SchmitzのFloten Lehre1には幅5-10mm、高さ1-2mmで唇を横に引っ張れと言っています。
あれこれ見出すとキリがありません。そしていよいよ混乱するばかりです。
Galwayのすさまじいばかりの響きを聞くと、Galwayを信じてみたい気持ちになります。
めったにないのですが、低い音から高い音まで軽く鳴る時はアンブシャを意識していません。唇なんて軽くプレートにあてればいいのさ状態です。
なので、そのめったにない良く鳴る時の自分の状態はどうであったか、それを記するためのブログ開設であったのに、考える程にますます同じスパイラルに突入します。
ニーチェよ。私を見よ!フルートの永劫回帰だ。どうだまいったか!

それにしても自分の演奏を録音して聴いてみるとほんとうにひどい。
6/8のリズムに乗れていない。(演奏中は乗れていると思っている)
やたらと重く演奏しがち。
タンギングの甘さが演奏に出るのか、切るべき音がつながって聴こえる。
そう、このタンギングってやつがアンブシャを崩すコツなのだ。だから、どうしてもしっかりタンギングしなくなってしまう。
それでも音色優先でいいのだろうと思っていたが、録音を聴くと唖然とする。
スパイラルは、めくるめく車輪の糸車。いつまでも紡いでばかりで一向に布にならない。
一本一本糸を織った衣服でいいではないか。なぜ、安い労働力を犠牲に大量生産、大量消費ばかりしたがるのか。
イランの映画「運動靴と赤い金魚」観る。捨てようと思っていたズックはまだ10年は履けそうだ。



テレビ東京。久しぶりに見る森喜朗、政界では彼を「シンキロウ」と呼ぶそうです、麻生太郎を中心に。
イット革命はその後マイケルジャクソンの遺作にまでなりました。
出来が悪くても総理大臣にまでなれる。なんと夢のある我が国ニッポンではありませんか。

2012年1月27日金曜日

scale exercise Es Dur

A Durをなんちゃって修了し、Es Durをさらっています。
A Durでは高音域のFis-Gisの特に下降が苦手です。
先生によればFisからGisに上がるときに左手の中指、薬指、小指でフルートをやや右手前に押さえ込むようにすると安定するとのこと。確かに、いくらか効果を確認できました。
朝から晩まで一週間程度、この運指だけ練習したらストレスなくできるようになるのだろうか?
否、力が入った練習は繰り返すだけかえって逆効果ではないだろうか?
誰か、毎日やってみた人はいないでしょうか?
マルセルモイーズは、初心者は一日15分以上練習してはいけないと言ったそうです。


Es Durはかなり楽です。メトロノームを毎分100にして、1カウントに四つの音でどうにか演奏可能です。


アルテスP.92のスケールを12種類のアーティキュレーションでそれぞれ二回づつやると1時間かかります。


疲れて曲にたどりつけませんでした。


スケールの練習はソノリテの次にやるのですが、ソノリテでうまく鳴らない時でも、スケールを練習することで音色が輝いてくることがあります。スケール練習は単に指まわりだけでなく、音色の開発になるとはこういうことなのですね。


スケールの練習で心がけている事。

  • 姿勢
  • 呼吸(背中に入れて胸、後頭部にぶつけるつもり)
  • 唇、首、肩、腕、指からの脱力
  • タンギング舌を唇につけて素早く抜くつもり(実はこれが苦手)
  • 指の動きを極力小さくする
  • 音色、音程をイメージする
注意することが、ずいぶんとたくさんあります。
これらに集中しながら我を忘れることでフルート一体になれることがゴールです。
A Durではとても無理ですが、Es Durならできるかもしれません。


チクセントミハイの言うフローという境地にフルートでたどり着けるかもしれません。

フルートという楽器

デリケートなパッドに複雑なメカニズムを有する現代のベーム式フルート


半年に一度は調整に出すべきで、5-6年使用したらオーバーホールしたほうがいいと言われています。


1976年に買ったリップのみ銀のムラマツM70(当時7万円)の調整(時計ドライバーでパッドのリンケージを調整するだけ)、分解掃除は自分でやっていました。


最初のフルートは学校のムラマツを拝借していましたが、卒業と同時に自分で買う必要にせまられました。ヤマハの4万円くらいのにしようかなと考えていましたが、近所のフルート吹きのお姉さんが「一番安いやつでいいから絶対にムラマツにしなさい!」と言うのです。一番安いと言っても7万円もします。「なぜだかわからないけどムラマツってそんなにいいんだ」この時以来、ムラマツの信頼感は私の中で輝き続けています。ブランドマーケティングの強さを思い知らされます。
ムラマツのカタログには総銀のスタンダードというのがあり、238,000円でした。
白く鈍く光る銀の輝きは、朝靄に煙る軽井沢の別荘の窓から見る白樺林のようです。
このクラスは音大やプロが使うもので自分には必要ないものだと思っていましたが、総銀の輝きには捨てきれない憧れがあり、アルバイトを重ねやっとお金がたまった頃、なんといきなり50万円に値上げしてしまいました。ムラマツさん、私に対するいやがらせですか、、、(笑)。


オーバーホールなど一度もしないまま、30年も押し入れで眠っていたM70を昨年ひっぱりだしてみたところちゃんと鳴ります。


クロマチックで上から降りると、Cisが鳴りません。指がころんでいるのかと思いきや、Cisのパッドがシュリンクしてトーンホールに落ちて来ていました。
ネットでパッド一式を購入し、Cisパッドを交換。ばっちりでした。ここまでは、、、。


せっかく一式で購入したパッドですから全て替えてみようかなと。とりあえずEsパッドでチャレンジしましたがあえなく敗北。そのために職人がいるわけでシロートがやるもんじゃありません。


ムラマツに持ち込み、修理及び調整で6,300円也。ムラマツのリペアにオーバーホールしたほうがいいでしょうかと聞くと、三ヶ月待ちであることと、しなくても大丈夫だとのことでした。どうも定説と違うな、、、。ま、いっか。


もう一本ムラの総銀を持っています。M70の10倍の価格です。ずいぶん贅沢になったもんです。こちらは実に柔らかい音色がします。密度の高い金属を響かせる喜びとでも言うのでしょうか。M70に較べると、多少パワーをかけないといけませんが私がイメージするフルートの音そのものです。
M70は楽器自体が軽く、パワーをかけると楽器そのものがビリビリ振動する感じです。
総銀に較べると私のM70はややデリケートで低い音が鳴りにくいことが多いですが、スイートスポットに当てれば最低音Cまで太く響きます。
どちらがいいのかと言うと、私は前述の理由で総銀が好きなのですが、もしかすると価格が安い楽器の音だという先入観も手伝っているのかしれません。


片平先生が私のM70を吹くと、それは見事な音がします。


ゴールドや、PTP、巻き管、いろいろと目移りした時期もありましたが、M70で十分だなと思いました。いつか総銀をシンセティックパッドにオーバーホールして上がりです。


楽器はそれで上がりですが、演奏はそうはいきません。


これを見るとオーバーホールしたくなります。





2012年1月24日火曜日

若者言葉

大丈夫ですか?


昨年、味音痴の同僚から某ハンバーガーチェーン店のクォーターパウンドバーガーが旨いと聴き、早速近くのマクドナルドに行きました。


私「クォーターパウンドバーガーを一つください
Mac店員「クォーターパウンドバーガー単品で大丈夫ですか?
私「ん?大丈夫か??単品だと何か我が身に災いがふりかかるのか???」
このMac店員は他のお客とのやり取りの際も、オーダーの度に、「XXXXセットで大丈夫ですか?」といった具合に確認するのです。


先日もフルートアンサンブル コルディス メンバーとファミレスでランチの際に、店員は毎回「大丈夫ですか」を連発するのです。
アイスティーで大丈夫ですか?ミルク、砂糖は大丈夫ですか?ラストオーダーですが大丈夫ですか?
自己利潤中心主義の世に、人の身を案ずる思想がいつの間にか生まれたのは歴史の必然か?


今日、相原のスローボートと言う造形大、多摩美の学生が運営する店でその話をしたところ、学生は「それって別に普通の会話じゃないですか?何かおかしいですか?」と言うのです。私が浦島太郎なのだろうか。それともただのじじいか。




〜からでよろしかったでしょうか?
暫く前、某お弁当屋さんでのこと。
私「唐揚げ弁当をひとつください」
ホットモット店員「唐揚げ弁当ひとつからでよろしかったでしょうか?」
異国で早口な外国語でいきなり話しかけられたのと同じような混乱が私の頭の中でおこりました。
これも普通の会話として理解しない私の環境適用性の欠如が問題なのでしょうか?
このホットモット店員も常に、「幕の内弁当三つとアジフライ弁当二つからでよろしかったでしょうか?」てな具合で顧客対応しています。


グローバリゼーションと言う名のアメリカ強欲主義が跋扈する中、流暢な英語を話す若者が増えてきましたが、仕事で英語に振り回されるおじさんはこのような若者の日本語にまで振り回され、大丈夫じゃないからでよろしかったでしょうか?





2012年1月23日月曜日

今年の目標

一年の計は元旦にあり。


アルテス一巻15課のレビューに加え、ケーラーの優しいデュエットをやることになりました。
全部で24曲あります。毎月2曲こなせば一年で修了になります。
今日ははじめの4曲を大甘で終えましたが、これからだんだんと難しくなって行きます。
目標設定はアクションプランのガイドラインみたいなもので、だいたいそのくらいのペースで行けばいいという目安と考えることにしました。


今年は初めてのソロデビューもあるのですが、ゴールは人前で最後まで演奏することとします。
ストレッチゴールは、緊張せずに演奏すること。さらにミラクルゴールは、人々と感動を共有し、拍手喝采を得る事です。


今日はフルートの個人レッスンでした。
指回り、アンブシャ、音色、音程、聞きたい事は山ほどあるのに、うまく演奏できずにボロボロでした。


シニアから始めた人は、どうがんばってもテクニックで若年層にはかなわないようです。
ですが、豊富な人生経験を活かした音楽表現は若年層にはできないそうです。
うーん、ほんとうにそうだろうか。
天才少女と呼ばれる世界最年少のオペラ歌手、ジャッキー・エヴァンコが歌う愛の歌は彼女の人生経験とは関係なく、人々を惹き付けるように思います。


しかしどうでしょう。場末のスナック(死語)で歌うおじさんの、リズム、音程がたいがいづれている演歌が妙に心に響いたり、リアルさに欠ける曲線で描かれた絵に妙に味があったり、所謂ヘタウマってのがありますよね。


それだけが救いなのだ。











2012年1月22日日曜日

呼吸

古代ギリシャ語のプネウマとは魂(精霊)であり、呼吸という意味だそうです。
昔の人は呼吸が生命の根源だと考えたわけですね。
フルートはリードなどの振動体を持たず、息を直接振動させて音楽を奏でます。
つまり魂を直接振るわせて音楽を表現すると言えるわけです。なんと夢のある楽器だこと。


その呼吸法についてはいろんな解説を見る事ができますが、どうも今ひとつピンと来ません。
横隔膜を下げるとか上げるとか言いますが、横隔膜の存在を実感できる人っているのでしょうか?
お腹をふくらませて息を吸うことが大事だと言います。それはできます。
ところが演奏中、常にお腹を意識するだとか、お腹で吹くだとか言う事が今ひとつわかりにくいように思います。


昨年フルートの片平宏美先生の演奏中のお腹を失礼して掌で触れて大変驚きました。ものすごく固く、高音への跳躍時にはさらにくっと力が入ります。こんなにお腹に力を入れるものなのかと実感しました。
腹筋なら負けてないとばかりに真似してみるとなかなかよく鳴るようになりました。ただ先生の真似をしてお腹に力を入れた事の効果なのか、それとも偶然調子がいいだけなのか判断がつきません。
今にして思えば真似の効果と偶然が半々のように思います。
何故なら、その後も常によく鳴るかと言うとそうでもなく、また鳴らない時にお腹に力を入れると少しましになるからです。




吉田雅夫先生の教えを試みてみました。


背中に息を入れて持ち上げる。
そして息を胸にぶつける。
さらに頭の後ろにぶつけるように息を出す。


背中に息を入れるとはこれまた難解な指示ですが、そのつもりで意識してやってみました。単にお腹に力を入れるよりよく鳴るようになりました。
暫くこの感覚を忘れずに試してみたいと思います。





2012年1月21日土曜日

アンサンブル コルディス


フルートアンサンブル コルディス の練習日でした。
レパートリーは事前にさらっているのですが、メンバーと揃って演奏すると音を間違えてしまいます。
練習ですら緊張して間違えるのですから、本番を考えると恐ろしい。
演奏の表現以前の問題です。吉田雅夫のメソッドによれば、音を間違える事は演奏家として恥と心得るべきと言っています。
それにしても毎回恥をさらす私だ。



今年はソロで出演する予定なのだが、大丈夫だろうか。。。

ま、しかしプロじゃないんだし、失敗することを恐れて何もしないより行動することとしよう。

メンバーに高音域のフィンガリングの練習について相談してみたところ、高音域は練習しないという人が多いのには驚きました。
なるほど!大胆な発想に感服。

高音域のフィンガリングはみなさん一様に体に力が入るのですね。私だけではなかったことに安心。
それでは、力を入れずに高音域を速く回せる人は何故それが可能なのか。そこがわかれば道は開けるかも。
先生は10歳から始めたそうです。やはり道は閉ざされているのか。。。

大人になって始めた人で高音域のフィンガリングを克服した人を知っていますか?

帰宅したら、なんだかメンタル的に疲れて、今日は寝たきり若人になってしまった。

吉田雅夫

中学1年生の時、学校の音楽で「1」をもらいました。


授業で当てられて、先生が叩くピアノの音を答えるように言うのです。
川端先生「xxxxくん、これはなんの音? ポーン」
ぼく「、、、、、」わかるはずありません。
川端先生「なんで黙ってるの?早く答えなさい ポーン」
ぼく 脇の下から汗
 思わず「ピ、ピアノの音です」
川端先生 激怒「ふざけた答えするんじゃないわよ!だいたい私はあなたみたいな生徒は嫌いなんです!!」
音楽が嫌いになったのは言うまでもありません。


それから何年かして、たまたま近所に住んでいた音楽教師と親しくなり、クラシックコンサートに通うようになって音楽嫌いを卒業しました。


思えばフルートを始めたきっかけは吉田雅夫の「フルートとともに」の影響が強かったです。


吉田雅夫の思い出
1)白髪のロングヘアーにハンスドレヴァンツのようなヤンキー眼鏡。特注のゴールドフルートを持つ左手には1976年当時めずらしい赤いLEDのデジタル時計。伊達男の風貌に似合わない優しい語り口。
慶應の法科で学ぶものの、音楽に対する情熱は相当強かったようです。確か、短波放送でフェージングとノイズでウワンウワンいう中で聴いたBBCだったか(記憶があいまい)のベートーベン(このあたりも記憶があいまい)のシンフォニーに大変な感動をしたことが音楽家を志すきっかけになったとか。(記憶があいまいなので違ってたらメンゴ)


2)生徒の演奏の後、必ず「いい、大変いいです。上手になりましたね、満点です。ただ、ここはね、、、、」褒めてから注文をつけます。褒めて伸ばす。うーん、尾木ママの元祖ここに見つけたり!


3)「フルートとともに」上期最終回は各自好きな曲を演奏しました。服部さんは途中落ちてしまったのですが、とても伸びやかな音で上手でした。吉田先生のコメントは「音楽は聴くだけでなく、下手でもいいから何か楽器を手に取って演奏することで音楽の喜びが増し人生が豊かになります」と言っていました。名言ですね。
その後とも子ちゃん、吉光さんと続き、石井君のTulouグランドソロは圧巻でした。


4)音楽の代用性
バロック時代のブロックフレーテ(リコーダー)は強弱がつけられないので、ピアノはスタッカートぎみにフォルテはテヌートで演奏することで強弱を感じさせることができる。
ちなみにビブラートを大きくかけてもフォルテに聴こえる。ただし、フルートにビブラートをかけるのは1905年頃タファネル、ゴーベール、モイーズあたりから。
テラッセンまたはシトゥーフェだったかな、強弱をつける工夫が必要。


5)音楽の中庸性
記憶があいまいなのですが、遅い、暗い、低い、といったグループと速い、明るい、高いといったグループはどちらか一方に偏りがちなので注意すること。
クレッシェンドすると同時にアッチェレランドになってはいけない。


6)音楽の一回性
音楽は他の芸術と異なり一回性がその属性である。同じ演奏は二度とできない。絵画や建築は修正可能だが音楽は一度音を発したら修正不可能である。(グレングールドはそれがいやで録音に専念した小心者ってことか?)


7)アポージャトゥーラ
主音に導かれる不協和音、アポージャトゥーラとシンコペーションを見つける事が重要。




大学卒業後の就職試験の社長面接で「尊敬する人は?」と聴かれて思わず「吉田雅夫」と回答したところ面接官は誰も彼を知らず、唯一社長だけが知っていて話がはずんだことも懐かしい思い出です。


1976年、専門家にフルートを習いたくて先生を探していました。
近くにN響のOBがいるからと聞いて、田島先生と言う方を長沼に訪ねて行ったところ、「ああ、よっちゃん(吉田雅夫)と一緒に演奏してたよ」とのこと。うわ、すげーと思いきや、トロンボーン吹きでした。
フルートのことはわからないけど、教えることはできるから、とのことで暫く通い、その後、国立音楽大学の学生で柏出身の佐藤絵里さんだったかな、(記憶が朧)に少し見てもらってから30年以上のブランクを経て再開した私なのだ。

2012年1月20日金曜日

テクニック練習のコツ

Taffanel & Gaubert 17 Grands Exercices Journaliers De MecanismeのEJ1をスタッカートとスラーでやってみました。低音域、中音域は問題ありません。
やはり高音域はかなり厳しいです。H Durのスケールも昨日よりうまくいきません。
高音域の指回りは長い目で見ないと練習が嫌になりそうです。
細く長く続けるには楽しくないといけません。高音域の指の練習にあまり時間を使うのはやめたほうがよさそうです。


昨年はクリスマスコンサートで「となりのトトロメドレー」の1stを演奏しました。
臨時記号だらけの32分音符の4連、5連、6連が連なる難所があり楽譜を見た瞬間「だめだこりゃ」と思いましたが、先生に相談し練習のコツを教えてもらいクリアすることができました。
三つのかたまりとして練習して暗譜するのです。
4連+次の頭の音、5連+次の頭の音、6連+次の頭の音、最後にこれらを繋いで演奏します。
あら不思議。絶対ムリと思っていたのですが、案外できちゃいました。
larrykrantz( http://www.larrykrantz.com/fluteweb/fluteweb.htm )のe-mail discussion に登録しているのですが、同じ方法がさかんに議論されていました。
チャンキングメソッドと言うそうです。
Chunkとは塊のことで、元々は認知心理学用語だそうです。
ひとつのフレーズを容量に制限のある(7Slot) short term memoryに記憶し、同じ事を5時間くらいのインターバルをおいて何度か繰り返すことで、容量制限のないlong term memoryに永遠に記憶させることができるそうです。


それにしても高音域のスケールは上達しない私だ。

2012年1月18日水曜日

指を回す

指が思うように回りません。

利き腕の右はそれほどでもありませんが、左は特に厳しいものがあります。

そういえば学生の頃から今日まで、電車で移動するなどしている時、右手を膝に載せてG-Cまでの動きをエアフィンガリングしていました。左もやっておくべきでした、、、。

アルテス1巻は以前"なんちゃって修了"しているのですが、なにせブランクが長いので15課からレビューしています。

音楽はスケールとアルペジオから構成されています。あらゆるスケールとアルペジオを着実に練習することが上達への近道(決して近くないのですが)と言われています。

前回のレッスンでD Durが終わり、現在H Durを練習中。
メトロノームを60に設定し、4tones/countで15種のアーティキュレーションで練習します。全てやると約30分かかりますので時間が無い時または集中力が続かないと思うときはかなり割愛します。細く長く続けることが大事と割り切り、ストリクトな特訓はしないようにしています。

1976年NHK"フルートとともに"で吉田雅夫がアーサー・ケストラー「機会の中の幽霊」の時計屋の話をしていました。
ビオスとメコスという時計職人がおり、ビオスは部品をアッセンブリしていたが、メコスは部品を一から組み立て、中断するとまた一から組み立て直す。その結果、メコスの生産性は極めて悪く、あげくにはビオスに使われるようになったと。
フルートの練習も同様につっかえる部分を切り出して練習すること、つっかえる度に始めに戻ると4,000倍の時間がかかりますと。

中・高音域のGis-A-H-Cis-D-E-Fis-Gis, A-Gis-Fis-E-D-Cis-H-AとA-H-Cis-D-E-Fis-Gis-A, H-A-Gis-Fis-E-D-Cis-Hがひっかかるのでそこだけ集中して練習します。

キーを押さえるのに必要な力は極めて小さいのですが、高音域は指の連続性が無いためか、力が入りがちです。力まないように集中することでキーを押さえる力をなんとか抜く事はできているように思いますが、それでも練習を続けていると、左前腕の筋肉が強ばります。
30分も続けていると、左肩から首にかけて強く凝ります。

暫く練習して、少し休憩し再開すると、途端にできるようになったりしますが、また暫く休憩すると元に戻ってしまったりします。このあたりは非常にもどかしいです。

軽く口笛でも吹くかのように、均等に音を出せたらいいのですが、指まわりは大きな課題となりそうです。

アマチュアの方の練習ブログをよく見るのですがフィンガリングで「これだ!」という決め手に出会っていません。

次回のレッスンで先生に相談してみようと思います。

唇の脱力

1975年 独学で吹いていたフルートを昨年より再開。

アダルトビギナーが問題点克服のための試行錯誤を繰り返すが、いきあたりばったりの繰り返しから脱却するための備忘録としてBlogを利用することとしました。

唇の脱力
昨年のレッスンで、腹筋を強く意識して吹く事でよく鳴るようになったと思いきや、やはりコンディションのいい時と悪い時のムラがあります。このムラを極力なくすことができないと本番で困ります。
ソノリテを低音Hから半音階で降りてくる時、調子があまりよくない時はC,Dなどの低い音を鳴らしたいために、唇が緊張します。今日もそうでした。そうしないと低音が鳴ってくれません。むしろ高音の脱力は問題ありません。これでいいと思っていました。

本日ふと、ビギナーの真似をして、スカスカの音を出してみようと、ただリッププレートを唇に軽くあてて吹いたところ、案外奇麗に響きました。あ、これだなと思いそのままのアンブシャで一気に高音Hまでクロマチックでかけあがったところうまくいきました。下のCも豊かに響きます。やったね!

さて、これで常に唇の脱力と美しい響きが手に入ったのでしょうか。明日が楽しみです。