2012年1月27日金曜日

フルートという楽器

デリケートなパッドに複雑なメカニズムを有する現代のベーム式フルート


半年に一度は調整に出すべきで、5-6年使用したらオーバーホールしたほうがいいと言われています。


1976年に買ったリップのみ銀のムラマツM70(当時7万円)の調整(時計ドライバーでパッドのリンケージを調整するだけ)、分解掃除は自分でやっていました。


最初のフルートは学校のムラマツを拝借していましたが、卒業と同時に自分で買う必要にせまられました。ヤマハの4万円くらいのにしようかなと考えていましたが、近所のフルート吹きのお姉さんが「一番安いやつでいいから絶対にムラマツにしなさい!」と言うのです。一番安いと言っても7万円もします。「なぜだかわからないけどムラマツってそんなにいいんだ」この時以来、ムラマツの信頼感は私の中で輝き続けています。ブランドマーケティングの強さを思い知らされます。
ムラマツのカタログには総銀のスタンダードというのがあり、238,000円でした。
白く鈍く光る銀の輝きは、朝靄に煙る軽井沢の別荘の窓から見る白樺林のようです。
このクラスは音大やプロが使うもので自分には必要ないものだと思っていましたが、総銀の輝きには捨てきれない憧れがあり、アルバイトを重ねやっとお金がたまった頃、なんといきなり50万円に値上げしてしまいました。ムラマツさん、私に対するいやがらせですか、、、(笑)。


オーバーホールなど一度もしないまま、30年も押し入れで眠っていたM70を昨年ひっぱりだしてみたところちゃんと鳴ります。


クロマチックで上から降りると、Cisが鳴りません。指がころんでいるのかと思いきや、Cisのパッドがシュリンクしてトーンホールに落ちて来ていました。
ネットでパッド一式を購入し、Cisパッドを交換。ばっちりでした。ここまでは、、、。


せっかく一式で購入したパッドですから全て替えてみようかなと。とりあえずEsパッドでチャレンジしましたがあえなく敗北。そのために職人がいるわけでシロートがやるもんじゃありません。


ムラマツに持ち込み、修理及び調整で6,300円也。ムラマツのリペアにオーバーホールしたほうがいいでしょうかと聞くと、三ヶ月待ちであることと、しなくても大丈夫だとのことでした。どうも定説と違うな、、、。ま、いっか。


もう一本ムラの総銀を持っています。M70の10倍の価格です。ずいぶん贅沢になったもんです。こちらは実に柔らかい音色がします。密度の高い金属を響かせる喜びとでも言うのでしょうか。M70に較べると、多少パワーをかけないといけませんが私がイメージするフルートの音そのものです。
M70は楽器自体が軽く、パワーをかけると楽器そのものがビリビリ振動する感じです。
総銀に較べると私のM70はややデリケートで低い音が鳴りにくいことが多いですが、スイートスポットに当てれば最低音Cまで太く響きます。
どちらがいいのかと言うと、私は前述の理由で総銀が好きなのですが、もしかすると価格が安い楽器の音だという先入観も手伝っているのかしれません。


片平先生が私のM70を吹くと、それは見事な音がします。


ゴールドや、PTP、巻き管、いろいろと目移りした時期もありましたが、M70で十分だなと思いました。いつか総銀をシンセティックパッドにオーバーホールして上がりです。


楽器はそれで上がりですが、演奏はそうはいきません。


これを見るとオーバーホールしたくなります。





2 件のコメント:

  1. funkyhassyさん
    はじめまして
    ロジェといいます(横浜市 62歳 男性)
    フランス語で「柳」と言う意味だそうで
    私の入っているアンサンブルの名前でもあります
    柳のように「しなやかな」演奏を
    私は「したたかに」ですが

    楽しく読ませていただきました

    これからも読ませていただきます

    Vivaldiの「LA PRIMAVERA」
    がんばりましょう(笑)

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  2. ロジェさん

    コメントありがとうございます。
    ドファドレドファドレがうまく動きません。
    明日、特訓しなきゃ、、、。

    hassy

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