2012年1月21日土曜日

吉田雅夫

中学1年生の時、学校の音楽で「1」をもらいました。


授業で当てられて、先生が叩くピアノの音を答えるように言うのです。
川端先生「xxxxくん、これはなんの音? ポーン」
ぼく「、、、、、」わかるはずありません。
川端先生「なんで黙ってるの?早く答えなさい ポーン」
ぼく 脇の下から汗
 思わず「ピ、ピアノの音です」
川端先生 激怒「ふざけた答えするんじゃないわよ!だいたい私はあなたみたいな生徒は嫌いなんです!!」
音楽が嫌いになったのは言うまでもありません。


それから何年かして、たまたま近所に住んでいた音楽教師と親しくなり、クラシックコンサートに通うようになって音楽嫌いを卒業しました。


思えばフルートを始めたきっかけは吉田雅夫の「フルートとともに」の影響が強かったです。


吉田雅夫の思い出
1)白髪のロングヘアーにハンスドレヴァンツのようなヤンキー眼鏡。特注のゴールドフルートを持つ左手には1976年当時めずらしい赤いLEDのデジタル時計。伊達男の風貌に似合わない優しい語り口。
慶應の法科で学ぶものの、音楽に対する情熱は相当強かったようです。確か、短波放送でフェージングとノイズでウワンウワンいう中で聴いたBBCだったか(記憶があいまい)のベートーベン(このあたりも記憶があいまい)のシンフォニーに大変な感動をしたことが音楽家を志すきっかけになったとか。(記憶があいまいなので違ってたらメンゴ)


2)生徒の演奏の後、必ず「いい、大変いいです。上手になりましたね、満点です。ただ、ここはね、、、、」褒めてから注文をつけます。褒めて伸ばす。うーん、尾木ママの元祖ここに見つけたり!


3)「フルートとともに」上期最終回は各自好きな曲を演奏しました。服部さんは途中落ちてしまったのですが、とても伸びやかな音で上手でした。吉田先生のコメントは「音楽は聴くだけでなく、下手でもいいから何か楽器を手に取って演奏することで音楽の喜びが増し人生が豊かになります」と言っていました。名言ですね。
その後とも子ちゃん、吉光さんと続き、石井君のTulouグランドソロは圧巻でした。


4)音楽の代用性
バロック時代のブロックフレーテ(リコーダー)は強弱がつけられないので、ピアノはスタッカートぎみにフォルテはテヌートで演奏することで強弱を感じさせることができる。
ちなみにビブラートを大きくかけてもフォルテに聴こえる。ただし、フルートにビブラートをかけるのは1905年頃タファネル、ゴーベール、モイーズあたりから。
テラッセンまたはシトゥーフェだったかな、強弱をつける工夫が必要。


5)音楽の中庸性
記憶があいまいなのですが、遅い、暗い、低い、といったグループと速い、明るい、高いといったグループはどちらか一方に偏りがちなので注意すること。
クレッシェンドすると同時にアッチェレランドになってはいけない。


6)音楽の一回性
音楽は他の芸術と異なり一回性がその属性である。同じ演奏は二度とできない。絵画や建築は修正可能だが音楽は一度音を発したら修正不可能である。(グレングールドはそれがいやで録音に専念した小心者ってことか?)


7)アポージャトゥーラ
主音に導かれる不協和音、アポージャトゥーラとシンコペーションを見つける事が重要。




大学卒業後の就職試験の社長面接で「尊敬する人は?」と聴かれて思わず「吉田雅夫」と回答したところ面接官は誰も彼を知らず、唯一社長だけが知っていて話がはずんだことも懐かしい思い出です。


1976年、専門家にフルートを習いたくて先生を探していました。
近くにN響のOBがいるからと聞いて、田島先生と言う方を長沼に訪ねて行ったところ、「ああ、よっちゃん(吉田雅夫)と一緒に演奏してたよ」とのこと。うわ、すげーと思いきや、トロンボーン吹きでした。
フルートのことはわからないけど、教えることはできるから、とのことで暫く通い、その後、国立音楽大学の学生で柏出身の佐藤絵里さんだったかな、(記憶が朧)に少し見てもらってから30年以上のブランクを経て再開した私なのだ。

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