2012年2月1日水曜日

ソノリテについて 大変な誤解か?

私は練習の始めには、多くのアマチュアがやっているのと同じように、低音Hのロングトーンをきれいな音が出るまで行い、次の5-10分をモイーズのソノリテを参考にして♩=60/min.で低音Hから下降、中音Hから下降、中音Hから上のHまで上昇をしています。


その時に心がけているのは、姿勢、呼吸、力まない、そして全音域での音色の同質性です。そして最近付け加えたのはGalwayの音のイメージです。


これらをきちんとやるのはけっこう大変です。


モイーズは一回目の演奏で気づいた事を二回目で治す事、ただし三回目をやって練習の最後に疲れてしまわない事と言っています。


この言葉に甘えてしまいがちです。三回やることは疲れきって次の練習に集中できないことを防ぐのが狙いなのでしょう。
ですが、ついソノリテは音だしと考えがちで、エンジンの暖気運転のごとく簡単に考えて集中が甘いまま終えてしまいます。


短時間で集中するよう、改めなくてはいけないでしょう。




ソノリテの大変な誤解?
今日ははじめに低音Gから下を集中トレーニングしました。
モイーズのソノリテについて(吉田雅夫訳)ではGからCに下降するに従って、


両顎をしだいにゆるめる。下顎がだんだん後ろにひかれる。両唇の圧力がだんだん弱くなる。


と言っています。
まず、「両顎をしだいにゆるめ」とはどういうことでしょう?その次に下あごがだんだん後ろにひかれるとあるので、Gの発音時は両顎を緊張させ少し前に出していることを意味しているのか。
私はどうしてもCに近づくほどに唇が緊張します。


まてよ、これってGからCisに上がる時のことを言ってない?
フランス語、英語、ドイツ語で書かれた原文(下記参照)を見るとやはりこの説明はGから上昇する譜面について言っているように見えます。


吉田先生の1968年の翻訳は、どう見ても下降譜面を説明しているように見えます。


うーん、どっちが正しいのだ?


そうだこんど先生に聞いてみよう!





それにしてもこの本、28ページしかないのに6,000円もするんですね。
私が購入したときは800円だったのに。

17 件のコメント:

  1. ソノリテ、そうです6,000円出して買いました。
    ただ、funkyhassyさんのように深く考えず。
    半音ずつ上げていくこと
    下げていくことで
    音だしと音程・音感・音色
    「吹く」というロングトーン等
    の練習と考えていました
    先生の答えをぜひ 掲載下さい
                   ロジェ

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  2. ロジェさん

    同じです。日本語訳がなんだかとてもわかりにくいし(吉田先生ごめんなさい)、半音づつ下げるロングトーンくらいに思っていました。

    でもどうやらモイーズはこの本でモイーズの全てを表しているのだそうです。
    フランス語で読まないと理解できないと言う人がいます。
    あきらめろってことか、、、。(笑)

    先生なんて言うかなあ、、、。やな生徒とちゃったって思うだろうなあ。(笑)

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  3. フルート大好き様。
    頑張っていらっしゃいますね。
    毎日の練習の初めはロングトーン、これは大事です。
    最初は一番出やすい音から始めることです。その音が良く響くようになってきたら、その音の上下へ半音づつ幅を拡げていきます。時間をかけて! 決して出にくい音から始めないでください。音が出るようになってきたら、今度は指の訓練(音階練習、時間をかけて!)です。指が動くようになってきたら練習曲です。練習曲であらゆる表現が充分にできるようになったら、最後は「曲」です。毎日、この順序を守ってください。
    頑張れ!!!

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  4. S.Koide様、

    おはようございます。コメントありがとうございます。

    はい!改めてご教示のとおりがんばってみます!!

    奇麗な音が安定的に出ないと、練習していても自分が嫌になります。
    なるべくコンスタントにいい音がだせるようにするためにも音を響かせる練習が大切だと思います。
    もう指がスムースに動きませんが、丁寧にスケール、アルペジオを12のアーティキュレーションで練習してからエチュード、曲をやっています。

    その後アンブシャについての閃きはいかがですか?
    私のようなへっぽこフルーティストのヒントになりはしないかと期待しております。

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  5. ソノリテはロングトーンではありませんし、そもそもロングトーンという練習法って海外にありましたっけ?

    一つの音を長く伸ばすことでキケンなのは、伸ばすことで耳は麻痺して来ること。
    それと音色を決定付ける最大のポイントは発音の瞬間にありますので、ダメダメで発音した音をどんだけ伸ばしてもかえって悪い状態をくり返すことになってしまいます。

    3回目云々の件ですが、そもそも疲れるような動きを伴うコントロールを身につけてはダメだと考えたほうが良いと思います。

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  6. Sonoreさん、
    コメントありがとうございます。
    なるほど、そういえば海外のサイトでロングトーンの練習を勧めているのを観た事がありません。
    ブラスバンドが新入生に、立ったまま一日中ロングトーンさせたりするって聴いたことがありますが、それより最初のアタックでいきなり響く音が出ることが重要なのでしょうね。
    3回目云々ですが、脱力がうまくいっていれば3回や4回で疲れるはずないですよね。

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  7. ロングトーンと言う言葉すら無いのではないかと思います。^^

    3回目に出来るのではなく、1回目にすぱっと出来るようなアプローチでないと実用になりません!^^

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  8. 確かに、聴いた事ないですね。
    ソノリテのアタックが大事なのかな。
    スピットタンギングはフランス語を話す人には簡単だと聴いた事があります。

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  9. いえいえ、アタックをすると言うこととは問題は別ですので、アタックで発音をコントロールしようとしてはいけません。よくタンギングと発音がセット化してしまった人を見かけますが、そもそもアパチュアと楽器との関係に問題があるのをアタックでなんとなく誤摩化してしまうのがクセになると大変です。

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  10. よくタンギングと発音がセット化してしまった人、、、
    具体的に聴いてみたいですが、ちょと問題が波及しそうですね(笑)。
    うーん、これはよくわからない領域だなあ。
    (同じように観念的ですが、宮前さんとの遠鳴りの響き成分の話しの方が想像できます。)
    いずれにしても、発音したいと思ったタイミングで一発で音がでないことも多く、この改善がなかなか進みません。
    教師からは、フルートをクチビルから話した状態から構えて一発で音がでるように何度も練習するように言われています。
    フルートをクチビルにつけたままだと、二度目のタンギングではうまくいくんです。
    一回目でクチビルがうまく創れていなくて、二回目でそれを修正するクセがあるのではないかと思います。
    タンギングは「おまけ」だと言う人もいますね。
    タンギングなしで奇麗な音を出せるようにして、「おまけ」で立ち上がりのいい音を出すって感じかな。。。。

    うーん、いろいろ考えるばかりです。

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  11. タンギングすることで最初の息の圧縮を完成させている吹き方って言えばいいのかな....?

    おっしゃる通り、タンギングなしでも音の出だしからノイズ感なしできれいに発音出来れば、タンギングはそれを最終仕上げする道具に過ぎません。

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    1. ソノリテで中音のHを吹く時、歌の翼のレ、シーのレを吹かずにいきなりシーと吹く気持ちで吹くとうまくいくんです。
      なんか、音の出だし恐怖症になっているようです。

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    2. イメージの力ってすごいですよね。植村さんだったかな・・・・モイーズにソノリテのレッスンを受けたとき、「そんなHじゃなくって・・・!!」とダメだしを食らい、モイーズが「荒城の月」のメロディーを中音F#から始めて吹くようにと命じ・・・そのとおり演奏して「F#、F#、H、C#、D、C#、H~~~」
      「それだ!」
      という話を思い出しました。

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    3. なるほど(Sonoreさんのコメントにはなるほどと思う事が多いです)。

      ソノリテの最初を吹く時が恐怖症になっていますね。
      うまくいかないだろうって恐怖が常にあります。
      ああ、Hね。得意だぜ!って自分に言いかせてから吹いてみようかな。

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  12. 日本語訳がまったく間違っています。英仏独版が下記で読めますので読んでください。まったく個人的な考え方で訳を変えてしまっているのがわかると思います。http://www.flutefamily.org/others/files/Marcel_Moyse.pdf

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    1. バッハの平均律クラビーア曲集という大マチガイ訳がいまだに大手を振っているのが日本です。well-temperがいつのまにか聞くに堪えないequal-temperにされてしまっています。ということで私は楽譜は日本版は買いません。

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  13. 長妻宏さん、
    コメントありがとうございます。
    英語は苦手ですが、ソノリテは英語で読んだ方が理解しやすいと思います。
    E・C ムーアのソノリテの解説本も誤訳と思われる箇所があり、混乱している人が多いのではないでしょうか。

    well-temperもよく調律されたと言いたいところを平均律と訳してしまったのでしょうか。
    pを小さくfを大きくと言うのもなんだか訳としてはどうなんだろうと思います。

    気がついた人だけがわかればいいってことだとしたら教育としてどうなのかなあ、、、。

    放置ブログにコメントくださいましてありがとうございました。

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