その昔、そう、ちょうどフルートを始めた頃だから35年ほど前になるでしょうか。
フルートを買うのだったら絶対にムラマツにしなさいと命令した近所のフルート吹きのお姉さんから、私はアッシジの聖フランチェスカに似ていると言われた事がありました。
世間に擦れていない人と評されたと捉え、嬉しかったものです。
ハンスペーターシュミッツ「演奏の原理」によれば、無垢に帰るためには知恵の実を食べなければならないのだそうです。
幼児が描いた落書きのような絵は無垢な心情が描かれていたりしますが、少し大きくなると、うまく描こうという意志が見えて来たりします。
特にアダルトビギナーのフルート吹きに無垢な表現は大変困難ですが、自然な演奏をするためにはどうしたらいいのか考え、知恵をつける必要があると言うことでしょうか。
Jen Cluffのブログに高校生から練習方法相談のメールが来たことが紹介されていました。
その高校生は、毎日3時間半から4時間半、3オクターブの跳躍と、12種類のアーティキュレーションによるスケール、シャミナーデのコンセルティーノやコンペのためのシランクスを吹いているそうです。
Jenのアドバイスは(長いのですが、)一言で言えば書を捨て町に出よ、ということです。
散歩して奇麗な空気を吸って、楽しい音楽を聴いたり、他の芸術を楽しんだり、そして人生を謳歌せよ、音楽を通して言いたい事があるでしょう。
この高校生ほどではありませんが、型にはまった練習とミスを繰り返していたかもしれません。
知恵の実を食べながら、自然を感じ、言いたい事をはっきり表現できる、そういう演奏をするための技術を修得するよう心がけなくてはいけないと思う今日このごろなのだ。
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