2013年6月27日木曜日

オーバーブローの仕方 再考

いやー、ちょっと困ったことになりました。

これでいいと思っていた基本的な奏法が実はそうではないかもしれない。

いい意味でパラダイムシフトしてくれるならいいのですが、、、。

で、何かと言うと、

合宿の際、同じ運指で低音域から中音域へ8度オーバーブローし、さらに3倍音の12度上まで出す、すなわちハーモニクスの練習をしました。

その際、先生がある若い生徒に「どうやって上の音を出しましたか?」と質問したところ、件の女性は、「少し息の方向を中にしました。」と応えたのです。

私は彼女が何か勘違いしているのだと思いました。

何故なら、
私の場合、8度上にオーバーブローする時は、顎を前に出しています。
モイーズのソノリテは読みにくいですが、よく読むとそのように書かれているので当然そうするものだと思っていました。
また、Galwayのマスタークラスのビデオを観ても、彼は顎を前に出してオーバーブローしているように見えます。
その女性の応えが気になって、昨日試しにやや内側に息を入れてオーバーブローしてみたら、なんと出来るのです。しかも音程もいい。
顎を前に出してオーバーブローする場合、勢いよく吹き上げてしまうと音程が上ずり易いので、頭のてっぺんから息を吐き出すようなつもりで吹くと音程を保つ事ができます。

私はずーーっと、そうやって吹いていたのですが、これって本当に正しかったのだろうか。

改めて吉田雅夫さんのテキストや、アルテスの始めの方を読んでもそこいらへんのことを明示的に書いておりません、みなさん。

モイーズも明示的と言いにくいですが、よく読むと顎は前に出してオーバーブローするとしています。

今更ながらこんなことに悩むとは、、、。

しかも、誰もどうするべきかをはっきり言っていないではないか。。。

ということで、今日のレッスンではそのことを質問してみました。

先生は、内側に息を入れてオーバーブローするそうです。
ただし、人によっては逆も有るのだそうです。

指揮者や作曲家の要求する音を出すために、逆の吹き方をすることもあるそうです。

そういうことなので、私のオーバーブローの方法が先生と逆であっても、あえてそこを治す事は要求しなかったようです。

つまり、どっちでもいいのです。いい音でちゃんと吹ければ。

そっか、エッジのベーシックな位置に息を当てれば基音が鳴ると。
で、そこからほんの少し内側あるいは、外側へ息の方向を変える事で倍音が出るのですね。
高音域は音程が上ずりがちなので、内側に向けてオーバーブローするほうが理にかなっているように思えますが、今から急に吹き方を180度変更するのは厳しいかも。

先生は無理に変える必要はない、必要に応じてどちらもできることが望ましいとおっしゃっていました。

笛吹きには常識だったのかな?
なんだか、頭の中が混乱した二日間でした。

4 件のコメント:

  1. こんにちは(いなほ)

     ゴールウェイのyou tubeでSir James Galway 16 Flutes Demonstrationというのを聴きましたが、funkyさんもお時間ありましたら是非聴いてみてください。どのフルートの音色がお好きですか?私は3と10が好みでしたが、偶然同じメーカーでした。

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  2. いなほさん、
    こんばんは、コメントありがとうございます。
    それ聴いたことあります。どれを聴いてもその差は僅差で、よーく聞き耳を立てないと差を感じることは難しいですね。私もその中で3と10のCooperは、軽い楽器の音だなあ、ムラマツの9kみたいだなあと感じておりました。
    明るくて、楽器がビリビリ振動する感じがします。
    好みかと言うと、そうではないのですが、では許せない音かと言えば、よーーーく聴かないとわからない差なので無視できる範囲です。
    ですが、自分で吹くとなるとその違いはずいぶんと大きく感じられるので、売れっ子のプロになったらいろいろ較べて拘ってみるのもいいかなと思います(笑)。
    Cooperは管厚が薄いのでしょうか?よく鳴る感じですね。
    それにしてもGalwayは何を吹いてもGalwayの音がしますね。
    以前、Galwayの音をイメージして吹いていましたが、今は意図的にそれは止めています。
    彼の音をイメージして真似ようとすると、つい吹きすぎてしまうからです。
    すると押し付けがましい音になることに気がついたのです。

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    1. こんばんは(いなほ)

       ありがとうございます。確かに最初何気なく聞いたときは、あまり違いが判らなかったのですが、再度耳を凝らして聴いてみて、私的にはムラマツの音が今一だったのにちょっとがっかりしたのです。どれも低音と高音部は気にならなかったのですが、どうしても中音部の音の違いで好き好きが分かれるのかなという感じです。

       いずれにしても楽器じゃないです。テクニックです。今日レッスンだったのですが、私の前が今春音大を出られて秋から留学されるという方でしたが、その方は数百万するゴールドのフルートを使っているのですが、同じフレーズを先生が吹かれたら、音の深さが全く違います。先生のフルートはムラマツのADです。私のエチュードも一部吹いていただいたきましたが、本当に中音部の厚味のある美しい音に感動します。いつかああいう音が出せるよう頑張ろうっと。

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  3. 先生はムラADで深い音を出すのですね。
    モイーズがケノンの洋銀フルートで深い音を出すみたいで、いい話しですね。
    楽器に拘る楽しみもあっていいと思いますが、やはりどんな楽器であろうともいい音で奏でる技術が先ではなかろうかと思います。
    いなほさんの先生の音を聴ける機会があったら是非聴いてみたいです。

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