2013年2月13日水曜日

パウル・マイゼン インナー・エクササイズは素晴らしい

ムラマツのDVD「パウル・マイゼン インナー・エクササイズ」を観ました。

モイーズのソノリテって、暫く前までは、神様が残した福音書のごとく神格化されていたように思えます。

ですが、Larry Krantzのチャットなどを観ていると、現代のヨーロッパの音楽大学のフルートの教授などはモイーズは過去の人と切り捨てるように言う人も少なくありません。
そういう人のWebページで、様々な現代奏法や、循環呼吸のデモ演奏を観ると、なるほど演奏技術は確かに進歩していて、そのように言うことにも一定の説得力があるように思えます。

そういうこともあるかもしれませんが、モイーズが残した遺産を多くの笛吹きが辿っていることも事実です。

いつも思うのですが、ソノリテやスケール・アルペジオの模範演奏というものを学習者はあまり聴く機会がないと思います。

「パウル・マイゼン インナー・エクササイズ」は見事にソノリテの音の同質性(Dolceの練習と言っています)をデモンストレーションしながら息の流れの練習方法を指導しています。

興味深いのは、風の力で進むヨットはその帆が風に押されるのではなく、帆の周囲から回り込んで先にいった風の力によって引っ張られるのだという解説です。

フルートを吹くと、その力によって体が前にもっていかれるように感じよ、と言っています。

さすがにそれほど強い牽引力を感じることはできないと思いますが、「そのつもり」を感じることで力任せに吹くのではなく、息という風の使い方を覚えられるような気がします。


原始的な情景は、現代のように様々な雑音に晒されていることはありません。
自然界に折れた竹があったとします。
自然な風が吹き続けて竹のエッジを通り過ぎる時に音が出るわけです。
一日の始めにフルートを吹く時、この原風景を思い出してみるといいかもしれません。
「ヨッパ」のながら鑑賞ですが、なんだかとても奥が深そうです。

DVDで習ったことを早く試してみたいです。。。

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