2014年3月27日木曜日

春はあけぼの

陽気のせいだろうか。
久しぶりに、このところ早朝覚醒が続いている。
目が醒めたら起きればいいだけのことではあるが、昼間眠くなるので困る。
暗くなると眠くなり、明るくなると目が覚める、それが自然だと思うのだが、どうも何か不自然なことが自分の中にあるようだ。



たいていの男の子はメカが好きと相場は決まっている。

時計、カメラ、自動車、飛行機、フルート、、、ん?
フルートのパーツの形の女性的な曲線の美しさ、メカの確かな動きにワクワクするのは男の子だからだろうか。

早朝覚醒すると時折、過去の記憶が鮮明に蘇ってくる。

小学生の頃の遠足。

決まって男子は一眼レフカメラの品評会と化す。

たいていはお父さんか兄貴のカメラを借りてくる。

貸す方もしぶっただろうが、借りるほうもごねたんだろうなあ。

で、出発前からカメラ自慢をしながらファインダーをのぞいてピントを合わせたりしているのだが、誰もシャッターを押さない。

一枚くらい撮ってくれてもよさそうなものだが、フィルムがもったいないんだね。

私「へー、すごいね。ちょっと手にもってみていい?」

不安そうなクラスメイト「ん?い、いいよ。」

ずっしり重いカメラのファインダーから見える世界は、なにか一種独特なブリューゲルの様。

レンズを空に向けると、、、

クラスメイト「あああ、ダメダメ、レンズを空に向けちゃあ!」

私「え?だめなの?」

「ダメなんだ、強い光を当てちゃあ。全くぅ、これだから知らない奴には持たせられないんだよ! あーあ〜、カメラ大丈夫だったかなあ、、、」

私「あ、ごめん、・

遠足は郊外の山を登ったのですが、件のクラスメイトは何かに躓いて激しく転倒。

大事なカメラは無惨な姿に。

そして彼の表情は顔面蒼白で、すっかり元気がない。

そりゃそうだ。帰ったらこっぴどく叱られるだろう、そして弁償することもできない。
もう二度と遠足でカメラを借りることはできなくなるだろう。

かわいそうだなと思うものの、何か「滑稽」を感じた。顔に出さないように必死でしたが。

先日レッスンに行く際に、いつものように3wayのバッグにフルートを入れて玄関を出た。
財布を忘れていないだろうかと、一旦背中にしょったバッグを体の前にたぐり寄せると、なんとバッグのチャックが全開になっていたことに気がついた。

気がつかないで出かけたら、どこかでバッグからフルートが転げ落ちて、コロコロと転がり、トラックに轢かれて呆然と立ちすくむことになったかも。

大切なものを失った人を「滑稽」だなどと思ってはいけないかな。

ですが、メカは所詮道具なので、また買えばいいだけのこと。

買い替える事ができないものを失うからこうなってしまうのだ。。。

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